Decision-1をRAGに組み込む:設計・検証・運用の実践:全6回の連載案内
判定を追加すると、RAGの何が変わるか
検索した根拠を絞る、回答できるかを判定する、候補を並べ替える。Microsoft-Decision-1(以下、Decision-1)を検索拡張生成(RAG)へ組み込むとき、どの役割を任せると改善につながるのでしょうか。
この連載は、筆者が2026年10月16日から20日に行った比較検証を基にした実践記録です。判定専用モデルのJevの登場をきっかけに関心を持った使い方を出発点に、仮説、環境、評価方法、結果、導入判断をたどります。Jev自体の性能評価や、JevとDecision-1の直接比較は行っていません。
RAGの基本的な検索と回答生成を知っており、構成の追加が品質と運用に見合うか判断したい開発者・設計者を想定しています。
全6回の読み順
| 回 | 記事 | 読後に判断できること |
|---|---|---|
| 第1回 | 第1回 Jevの登場から考える、判定専用モデルをRAGに組み込む意味 | 判定を置く役割と、確かめる仮説を決める |
| 第2回 | 第2回 検証環境を作る:Microsoft Foundryとローカル検索基盤(公開予定) | 評価の実行場所、接続、再現に必要な材料を整理する |
| 第3回 | 第3回 RAGの改善をどう測るか:質問セットと評価方法(公開予定) | 質問と指標を用意し、比較結果の限界を読む |
| 第4回 | 第4回 結果を読む:リランクの改善と、フィルター・ゲートが効く条件(公開予定) | 生成モデルや失敗の種類に応じて結果を解釈する |
| 第5回 | 第5回 導入を判断する:待ち時間・費用・運用条件(公開予定) | 品質と処理量、総費用を合わせて採否を考える |
| 第6回・番外編 | 第6回 番外編:この検証から得た、ほかの開発プロジェクトでも使えるTipsと学び(公開予定) | データ品質、再開、レビュー、費用記録、AIとの協働を自分の開発へ応用する |
初めて読む方は第1回から順に進めると、仮説と結果の関係を追えます。検証方法を整えたい方は第3回、採否を考えたい方は第4・5回、ほかの開発へ学びを持ち帰りたい方は第6回から読むこともできます。
比較した五つの構成
| 構成 | 検索候補と生成前の処理 |
|---|---|
| A | 検索上位5件をそのまま使う基準構成 |
| B | 10件をDecision-1の関連性判定で絞る |
| C | Bに、根拠0件または不十分なら生成しない処理を加える |
| D | 20件をDecision-1の有用性評価で並べ替え、5件を選ぶ |
| E | 10件を汎用の生成モデルによる関連性判定で絞る |
対象はMicrosoft Learn日本語版のAzure Storageに関する302記事と、テスト用96問です。主評価はgpt-6-luna、追加評価はgpt-5-nanoとPhi-4-mini-instructを使っています。実施内容と結果の出典は各回に掲載しています。
数値を読む際の前提
回答スコアは、正解1点、部分正解0.5点、不正解0点の平均です。完全正解の件数割合ではありません。また、検索候補数も構成によって異なるため、構成全体の効果とDecision-1単独の効果を分けて考えます。
質問セットは人が全件確認しましたが、生成回答への採点結果の人手確認は未実施です。記事では実測、記録に基づく解釈、追加の設計提案を区別します。執筆時にAPIの再測定は行っていません。
2026年10月28日から、土日・日本の祝日を除く営業日に1回ずつ、全6回を公開予定です。第1回とこの案内は10月28日、第6回の番外編は11月5日を予定しています。連載全体は「LLM・AIアプリ設計」カテゴリーで扱います。